オリジナル小説を綴っています。 拙いものですが、少しでもお話を楽しめる憩いの場になればと。

三つの乾杯 6 再会の祝い(2) 

「遥はどこの音大に行ったの?」 とりあえず、差しさわりのない話題から。学歴ぐらいは、こちらから尋ねても良いだろう。心の中は汗をかきまくっていたけれども、表面は努めて落ち着きを払う。「音大じゃなくて、国立大学の教育学部で音楽教育を専攻したの」「へえ」「両親とも教員だし、あんなこともあったし。教師にでもならなくちゃ、とんでもない親不幸だと思ってね」 あんなこと……「じゃあ、オーケストラ団員にならなかった...
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