オリジナル小説を綴っています。 拙いものですが、少しでもお話を楽しめる憩いの場になればと。

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夢叶 54 第二章・卒業(2) 

 リビングでは、長谷川の両親も、隣の和室から聞こえてくる田島の歌声に耳を傾けていた。母親は、事故後五年が経った今でも、やはりこの曲を聴くといろいろな思いが募り涙ぐんでしまう。

 高校時代、長谷川がこのギターを弾くのに合わせて、田島は歌っていた。何度もダメ出しをされ、繰り返し歌わされた。

 ただの「ちょっと歌のうまい高校生」だった田島は、長谷川と出逢って以来、バンドのボーカリストとして歌えるように鍛えられていった。

「もうしばらく、お前のこのギター、俺が使うから」

 演奏を終え、ギターをケースに収めていると、玄関のドアが開く音が聞こえた。

「ただいまー」
「やっと帰ってきた。純、田島祥吾君がいらしてるから、あいさつして」
「え? 田島?」

 リビングの方から家族の会話が聞こえる。田島が和室からリビングへ戻ると、そこには長谷川の弟の純がいた。

「あ、祥吾さん」

 純の姿を見た田島の心臓が、ドクンと大きく跳ね上がった。

 瞬!? いや、似てる。

 事故のとき、弟の純はまだ中学三年生だった。落ち着いて、目の前にいるその青年をよく見た。

 ぐっと背も伸び、成長した純には、まだ幼さの残っていた中学生の頃の面影は残っていない。あれから五年経って二十歳になっているはずだ。

「純君、久しぶり」

 少し長めのオレンジの髪に、首から何本か下がるネックレス。よれよれのシャツに擦り切れたジーンズは、そういうデザインなのだろうか。

 純は、手首に絡まるブレスレットをジャラリと鳴らして、田島のギターを指差した。

「どうして祥吾さんが兄さんのギターを持ってんだよ。それ、ずっと探してたのに」

 髪やファッションは、瞬とはまるで違う。けれども、何かを試すように挑戦的に睨んでくる純の目。それが兄の瞬とそっくりだ。

 純と視線が合うと、田島は言葉を詰まらせた。

「これは・・・」

 その目に釘付けとなり、高校で瞬と初めて出会った時のことが風のように頭を過ぎった。

『祥吾、お前は俺と組む』

 同意以外のどんな返事をも拒むような、瞬の目に捉えられた。純の視線からそんなことが一瞬にして思い出される。

「純。祥吾君に失礼なことを」
「祥吾さん。兄さんに今まで顔出さなかった分、ちゃんと詫び入れてってよね」

 純は田島から視線を外さずにそれだけを言うと、昼だというのに酒の匂いをぷんぷんさせながら、ふらふらと二階に上がっていった。相当酔っている様子だ。

「祥吾君、ごめんなさいね。今日祥吾君が来ることは言ってあったんだけど」
「いえ。純君の言ったことは正しいですから。侘びはさっきしました」

 高校時代、田島は週末ごとに長谷川の家に遊びに来ていた。二階の部屋でギターを弾き、歌い、泊まっていくこともあった。

 中学生の純は、兄と兄の友人がいるところに自分もと絡んでくるのだが、いつも相手にされず文句を言う、人懐っこくかわいい弟だった。

「純君は大学生ですか?」
「純は大学に入って、酒を覚えてから随分変わった。あんな格好をする子ではなかったのに」
「音楽をやっているらしいんだけど、親の私たちには何も言わないのよ」
「へえ、音楽を」

 兄の後を追っているのだろうか。純にとっても、大好きだった兄を失った後のこの五年を、いろいろな思いで過ごしていたに違いない。

 いや。余計な詮索はやめようと、田島は軽く首を振る。

 帰らなければならない時間が迫っていた。別れを惜しむ長谷川の両親と、帰国したら再び訪ねることを約束し、最後の挨拶をして家を後にした。

 自宅に戻り、一息つく間もなく空港に向かった。その日の夜の便で田島は出発する。

 航空会社のカウンターでチェックインをして、スーツケースを預ける。夕刻だというのに、空港には多くの人が集う。ちょうど春休みの旅行シーズンと重なったようだ。

「田島!」

 花園と彼女の三条が、軽く手を振りながらこちらにやってくる。

「ごめん、遅くなった。時間は?」
「大丈夫。スーツケースは預けたから、あとはゲートに行くだけ」
「じゃあ、ちょっとコーヒーでも飲みに行くか」
「いや、もう行くよ」

 税関が少し混んでいるらしい。そんな情報をチェックイン・カウンターで受けていた。

「そうか。田島、曲ができたら・・・」
「お前に一番に知らせる」
「さやかさんに知らせるのも忘れるな」
「分かってる。マスターにも」

 話すこともあまりないまま、三人はゆっくりと南ウイングまで来た。

「じゃあ、ここで」
「気をつけて」

 田島と花園は、最後にがっちりと腕を組んでから、笑顔でハイタッチをした。



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 ふ~。やっと出発。旅立ちました。
 どこへ行ったのかって? たぶん、ご想像の通り(^^;)


 『夢叶』に、ご意見、ご感想、ご助言等いただけると嬉しいです。

 読んでいただき、ありがとうございます。皆様の一日が平和でありますように。

 Have a nice day!
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Comment

Name - ヒロハル  

Title - No title

えらく、荒んだ弟ですね。汗。
若いのに昼間から酒とは・・・・・・。

青春ドラマしてますね~。
田島、いってらっしゃい!
2012.03.13 Tue 13:29
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - ヒロハルさん

コメントありがとうございます。

出来た兄と荒んだ弟、ギャップのある兄弟はファミリー物の王道かと^^
朝帰り、いや、昼帰りの弟くんでした。

青春ドラマしますよ~。あくまでも、くさ~く王道行きます。

> 田島、いってらっしゃい!

ヒロさん、ありがとう。いってきます。(田島より)
2012.03.13 Tue 17:37
Edit | Reply |  

Name - lime  

Title - No title

弟の登場シーン、すごく良かったです。
なんだろうなあ、田島が体感していない、瞬君の家族の時間が感じられて。
そして、外見は違っていても、近い血の通った弟の存在感が、グッときます。
弟の中にも、瞬君が居るのですね。

家を辞す時も、空港での花園たちとのやり取りも、すごくあっさりと素っ気ないのが逆に彼ららしく、
男同士だなあ~と、しっくりきました。
けいさん、上手くなったな~~って、ビビりました^^
(私がいうのもおこがましいですが^^)

次回物語は、田島君を追うのでしょうか。
けいさんのホームかな?わくわくします。
2012.03.13 Tue 18:33
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - limeさん

コメントありがとうございます。

やたっ^^ limeさんに褒められた^^
褒められて有頂天ですぅ~^^

瞬には弟がいたのでした。
そうでないとご両親がかわいそうでね(^^;)
けど、問題児での登場となりましたぁ。

さて、出発前にやるべきことはやり終えました。
・・・多分(汗)てか、もう飛行機に乗っちゃったし・・・

田島を追いますよ。
一人で本当に大丈夫なのだろうか。
いや、一人でやっていかないと。

徹さんとマスターにしばらく会えないのが寂しい・・・私が(^^;)

まだまだですが、怠らずがんばります。
(時々は怠るかも・・・はは。人間だもの・・・)
2012.03.13 Tue 19:51
Edit | Reply |  

Name - fate  

Title - ―――瞬!? いや、似てる。

↑その、どきりとした感じがよく分かります。
血って怖い。
fateはものすごく‘血’を描くなぁ、とむしろ気付かされました。

>田島が体感していない、瞬君の家族の時間が感じられて

↑limeさんのコメに、おお、その通り!!! と思いました。
そうだ、それが時間の経過であり、苦悩の歴史であり、涙の痕なんだ。だから、心が知らずに痛みを発したんだな。

時間は…弟くんの中では止まったままなのかも知れない、と思いました。
失うことに慣れるには、彼はまだ幼すぎて、きっと兄を尊敬し、愛していたんだろう。

空港。
ああ、懐かしいね。
でも、苦しさも蘇ってくる、奇妙な空間で。何故か旅立つ瞬間しか思い出せない。そこに帰ってきたこともある筈なのに。
ううむ。不思議だ。
2012.03.14 Wed 09:04
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: ―――瞬!? いや、似てる。

fateさん、コメントありがとうございます。

血のつながりはやはり圧倒的なんですよね。
長谷川家は瞬のご当家なので、
田島の計り知れないものがあり、
今後もそれが積み重なっていくのです。

なんだかそれが居たたまれなくて、
limeさんのコメを結構スルーしてました。
limeさんすいません m(..)m

田島と違って、弟君はその時の状況を話でしか聴かされていないと思うので、
どうなんでしょね・・・(^^;)

空港、好きです。
空港で人を見ていると色々な妄想が沸きます。お勧め^^
2012.03.14 Wed 16:55
Edit | Reply |  

Name - おなかぴーたろー  

Title - こんにちは~

弟さんのやっている音楽が気になる・・
ひょっとして、お兄さんたちと一緒の音楽性!?
んー。今後またドラマ展開がありそう。
2012.03.15 Thu 11:36
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: こんにちは~

おなかぴーたろーさん、コメントありがとうございます。

弟くんは、音楽をやっている、らしく、親に話さない、のです・・・
えっと、ちなみにお兄さんたちの音楽性は何だろう・・・ヤバイ沈黙(--;)

今後まだドラマ展開していきますぅ~
宜しくお願いします^^
2012.03.15 Thu 12:20
Edit | Reply |  

Name - ソライエ  

Title - No title

新しい展開が期待されるオトウト君の登場と
行ってしまった田島君。
どうからんでくるのぉ。。。。
想像を裏切る展開なのよね。きっと。
楽しみにしてます。



2012.03.16 Fri 08:32
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - ソライエさん

コメントありがとうございます。

コメ返遅れてすいません。
仕事で出張に行っていました。(ただいま)

田島と弟くんとの絡みは・・・ふふふ(イミフ)(・・;)

想像は裏切るかなー裏切らないかなー
ソライエさん的にはどちらがお好みでしょう?

展開は青春物の王道行くんで、予想通りではないかと思います。
今までもそうでしたよね(?)(^^;)
2012.03.18 Sun 09:17
Edit | Reply |  

Name - 西幻響子  

Title - No title

けいさん、お久しぶりです、西幻響子です。

うわ~、すごい!
夢叶、85までいったんですねぇ、
がんばって、追いつかなくちゃ。

さやかさんという女性が出てきたり、
瞬くんのご両親が出てきたり、
と思ったら田島くんはさっさと旅立ってしまうし(笑)、
もう、怒涛の展開ですね。

瞬くんの弟くん、純くんに興味津々の西幻であります。
(名前が似ていて、拙作の純平を思い出させる、というのもあるかも)
純くん、また登場させてくれたら嬉しいな ^ ^
2012.08.09 Thu 13:17
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - 西幻響子さん

おおおっ! 西幻さんっ! お久しぶりです!

その後いかがお過ごしでしたか。
復帰されるんですか。きゃー(うれし涙)

また西幻さんのブログにおじゃましに行きたいですよ。
純平くんとか、あの強烈キャラの方とか、お元気ですかね。

『夢叶』の進度はゆるいですから、またお時間のあるときに^^
キャラはちょこちょこ程度に増えています。
こちらはそんな感じです(^^;)

瞬の弟君の純を気にしていただけて嬉しいです。
純はねー、えっとねー、ふふふ(ここはイミフで)

西幻さん、またブログでお話しましょう^^
2012.08.09 Thu 19:00
Edit | Reply |  

Name - あかね  

Title - やはりうらやましい

つらいこともあったけど、よくよくよーく考えて、再び未来に向かって歩き出す。
そんな若者、いいですねぇ。

弟の純くんって初登場ですよね?
彼は田島くんを兄のかたき……とまでは思わなくても、憎い奴だと考えているのでしょうか。
彼もまた兄に呪縛されて立ち止まってしまっているのかな?

大学を卒業して外国に行って、そんなことをしていたらダメ、とか言いたがる大人もいるでしょうけど、私はうらやましいです。
やっぱり若いときしかできませんものね。
2013.03.18 Mon 11:06
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: やはりうらやましい

あかねさん、コメントありがとうございます。

若者、良いなあ。青春してくれょ。です。

弟の純は、酔っ払っての初登場です。
純は家族で弟なので、田島とはまた違う感情があるのでしょうねぇ。
純の思いは・・・(そこは描けない作者・汗)

> 大学を卒業して外国に行って、そんなことをしていたらダメ、とか言いたがる大人もいるでしょうけど、私はうらやましいです。

今は若い人がばんばん海外に出る時代ですからねぇ。
私もうらやましいです。良い時代になった。しみじみ。
2013.03.18 Mon 17:58
Edit | Reply |  

Name - rurubu1001  

Title - 一気に読んじゃいました!!

私、今日一気に読んでしまって、アクセス数たぶん私のせいで跳ね上がってしまっているかも…すみません!…というのも、かなり、ハマってしまって!

けいさん、すごくいいです!田島くんの物語!!私、正直何度か涙腺やばくって…><

徹さんの田島くんの悩みの根っこまで辿る姿勢とか、本当にいい友人だと思います。あんなふうに真摯に向き合ってくれる人はそうはいないと思う。

寛大なマスターの優しさとか、まさかの5回目の告白は、私も一緒になってやられましたよ!ヤマサダさんとのライブシーンも圧巻で、そこでの田島君のトークは私もうるっときてしまって。徹さんじゃないけど、マスターの後ろに隠れたかったです(笑)。

高校時代のエピソードも良かった~。さやかさんもカッコよかったし、鏡くんは回想シーンだけだったけど、すごく大人でしたね。徹さん並みに好きになりました。この先、彼と再会できることを願ってます。

個人的には田島・鏡・純でバンドを再結成して頂きたい!このあとの展開も楽しみです!

まだ途中までかもですが、三作目でこのデキはかなり凄いと思います!本屋さんの本に並んでいてもいいレベルなんじゃないかと個人的に思うんですが!

旅編も楽しみ^^v
2013.08.16 Fri 20:17
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: 一気に読んじゃいました!!

うおお。rurubu1001さん、一気読み、嬉しいです! 
ありがとうございます!

跳ね上がるのは大歓迎です^^
田島のお話が気に入っていただけたのなら、とっても嬉しいです。

徹さんとは相変わらず良いお友達です。ここでも良い人ですねえ。
徹さんだから、田島も心を開いたという、偉大な親友です。

マスターも良い人で。
恋バナを語るのには苦労しました。私が。
ジャズ話も苦労しましたぁ~。ヤマサダさんのおかげでなんとか(^^;)

過去話と現在のシーンとのバランスが難しいです。
昔の回想って、どの程度入れていいのか、現在の話の進行の妨げにならないか、
どこにどう入れたら良いのか、まだまだ手探りです。
でもこのお話では、田島の過去を語らなくてはいけないので、毎回苦労しています。
もう、苦労ばっかりですぅ。

> 個人的には田島・鏡・純でバンドを再結成して頂きたい!このあとの展開も楽しみです!

ほう。なるほど。ふふ。ここでのネタバレは無しです^^

まだまだ三作目ですよぉ。ひよっこです(-_-;)
いろいろな課題を抱えながら、ゆっくりと進んで行きます。
田島の歩みはのろいのですが、これからも見守っていただければと。(作者の歩みものろくて・汗)

旅編(?)も長い(申し訳ないくらいに)のですが、一緒に旅していただけると嬉しいです^^
2013.08.16 Fri 22:52
Edit | Reply |  

Name - 大海彩洋  

Title - いよいよ海外

周囲の人たちとの切っても切れない縁と、そこから生まれた海外へ出るという決心、思いを込めたラストライブ、ゆっくりと物語が展開する中で、過去の思い出の整理ができましたね。
いえ、整理ではありませんね。
ひとつずつ歌っては消していく作業は、思い出を忘れるためではなくて、心に刻んでいく作業だったんですよね。
思い出、大切なできごとっていうのは、消えるものではないと思うのです。表面上は消えても、心の深いところにしっかりと刻まれている。
だから歌としては消えても、核になる大事なところは絶対に消えずきちんと残っているのですよね。
そして消せなかった1曲は、それらを引き出すためのキーなのではないでしょうか。
実際にその曲をもう一度奏でることで、次に進む強い気持ちがむくむくと湧き上がって来たし!
さあ、海外ですね!

さやかさん。マスターもしつこく頑張ったし、彼氏がいてもまた道が開けることもあったりして……違うかな?
いやいや、彼女にならなくても、大事な人であることは変わらないよね。
そして、私も、純という弟が気になるなぁ。
結構いい人がいっぱい出てきたので、そろそろ毒のある人が欲しいなぁと思っていたSな読者でした(*^_^*)
2013.09.03 Tue 22:16
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: いよいよ海外

大海彩洋さん、コメントありがとうございます。

はい、なかなか昇華できなかったのですが、やっと。
思った以上に時間かかりました(><)

消していく作業のときの思いはどんなだったのでしょうね。
素敵な解釈をありがとうございます。
刻みすぎて心が抱えきれずに身体がちょっと困ったことになりましたが(-_-;)
田島のみぞ知る(?)

> だから歌としては消えても、核になる大事なところは絶対に消えずきちんと残っているのですよね。
> そして消せなかった1曲は、それらを引き出すためのキーなのではないでしょうか。

そうなんですよ、大海さん^^ 
あの曲をもう一度演れなければ、先も後もない。
それが全然上手く書ききれなかった所を、読み取っていただけて超嬉しいです。

さやかは色々な意味で大事な人であり続けると思われます(^^;)
純という弟は・・・とりあえず、地味に初登場で。

> 結構いい人がいっぱい出てきたので、そろそろ毒のある人が欲しいなぁと思っていたSな読者でした(*^_^*)

うわ。毒のある人、っすか・・・(滝汗)
自己キャラ分析をすると、あー、何も言えない。
「半沢」が見たい・・・いや、ないものねだりはせずに、
努力と精進を続けます。気合。
2013.09.04 Wed 18:20
Edit | Reply |  

Name - 八少女 夕  

Title - つぎはいよいよ海外なのですね

こんにちは。
章ごとのまとめた感想になってしまってごめんなさい。

この章は、途中でもいろいろ感じることが多くて、でも、一氣にここまできました。

何かを中断して、とても時間が経ってしまったとき、それを再開するのにはとても大きなエネルギーが必要だと思うのですよ。私の場合は小説を書いていなかった時期が十年くらいあって、その後に長編の「樋水龍神縁起」を書いてカムバック(?)したのですが、あれはとんでもない荒療治であれがなかったら今も書けていないと思います。

祥吾(ごめんなさいね。予告通り敬意を込めての呼び捨てでいきますので)の場合は、それにトラウマがあっての中断なので、再開するまでに必要だったエネルギーは、並大抵のものではなかったと思います。でも、だからこそ、再開した時にそれまで行き場を失っていた歌うことへの情熱が大きく花ひらいたんでしょうね。

それが「世界のヤマサダ」も動かしたエピソードは心を打ちました。「単純に歌のうまいだけの人が、世界的奏者とセッションした」というストーリーだと嘘くさいですが、ここに祥吾の苦悩とヤマサダの苦悩が重なることによって納得のいく強いエピソードになっていますよね。

そして、さやかや純の存在もとても大切だと感じました。ある人間がなくなって苦悩するのは「主人公だけ」のはずはないですよね。ご両親を含めて、多くの人の存在もやはりあるはずで、それを丁寧に書かれていらっしゃるなと感じました。

マスターの放浪話の件、動機はともかく、海外で何かを見るならいろいろな言語が出来た方がいいのは確かですよね。日本人は完璧にできないかぎり「○○語は話せない」となる方が多く、海外でとても損をなさっている方が多いように思います。なんて事を考えながら読んでいました。さすが、けいさん、海外にいらっしゃるだけあってその辺の視点も実際に海外にいたマスターの言葉に含蓄を持たせているなと感心しました。

それと途中で試されていた描写の件、悩まれるのがよくわかります。細かく書けば書くほど、それがストーリーと無縁であれば読者を混乱させる要因にしかならないのですが、かといってさっぱりし過ぎているとこんどはあらすじを書いているのと変わりがなくなりますよね。

五千字程度の掌編ではストーリーに関係のない描写は極力排除して、描写が人物の心境と重なるようなものに限定しますが、これだけの長編ですから、直接関係はない情景描写もあって当然だと思うし、ないと不自然かと思います。でも、その兼ね合いはとても難しいし、「こうすべきです」というセオリーもないかと思います。

むしろ私は向上のためにいろいろと試すということが少なくて、こうして挑戦なさっていらっしゃるけいさんはすごいなあと感心して読んでいました。

作品とは関係ないですが、チキン6キロには笑いました。それは重かったでしょう。

次回の海外編も楽しみにしています。
2014.04.21 Mon 17:11
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: つぎはいよいよ海外なのですね

八少女 夕さん、膨大なコメントをありがとうございます!

> 何かを中断して、とても時間が経ってしまったとき、それを再開するのにはとても大きなエネルギーが必要だと思うのですよ。私の場合は小説を書いていなかった時期が十年くらいあって、その後に長編の「樋水龍神縁起」を書いてカムバック(?)したのですが、あれはとんでもない荒療治であれがなかったら今も書けていないと思います。

十年ですか。そうですね。初めて何かをすることのほうが、意外とすんなり出来たりして。ゼロからのスタートですからね。荒療治で復活ですか。どんな荒療治だったのでしょう。読めばわかるのかな。

> 祥吾(ごめんなさいね。予告通り敬意を込めての呼び捨てでいきますので)の場合は、それにトラウマがあっての中断なので、再開するまでに必要だったエネルギーは、並大抵のものではなかったと思います。でも、だからこそ、再開した時にそれまで行き場を失っていた歌うことへの情熱が大きく花ひらいたんでしょうね。

呼び名は何とでも^^ 田島は4年のブランクです。友人や周りの協力があって、やっと再開できました。まだこれからもゆっくりと進んで行くのですが、見守っていただけると嬉しいです。

> それが「世界のヤマサダ」も動かしたエピソードは心を打ちました。「単純に歌のうまいだけの人が、世界的奏者とセッションした」というストーリーだと嘘くさいですが、ここに祥吾の苦悩とヤマサダの苦悩が重なることによって納得のいく強いエピソードになっていますよね。

ヤマサダをピックしていただけて嬉しいです。これ(も)苦労したエピソードなのです(^^;)
嘘くさくなく、少しでも現実的だったということでしょうか。ありがとうございます。

> そして、さやかや純の存在もとても大切だと感じました。ある人間がなくなって苦悩するのは「主人公だけ」のはずはないですよね。ご両親を含めて、多くの人の存在もやはりあるはずで、それを丁寧に書かれていらっしゃるなと感じました。

主人公以外のキャラにどう息を吹き込むかは、難しいですね。せっかくお話に登場した以上は、しっかりと書いてあげたいと思ったのがさやかなり純となりました。そんなキャラにも目を向けていただき、恐縮です。

> マスターの放浪話の件、動機はともかく、海外で何かを見るならいろいろな言語が出来た方がいいのは確かですよね。日本人は完璧にできないかぎり「○○語は話せない」となる方が多く、海外でとても損をなさっている方が多いように思います。なんて事を考えながら読んでいました。さすが、けいさん、海外にいらっしゃるだけあってその辺の視点も実際に海外にいたマスターの言葉に含蓄を持たせているなと感心しました。

今はたくさんの日本人の方が海外に興味を持ち、海外のあらゆる国で活躍されているのを見ると、みなさん、頑張っていらっしゃるなあと感心します。語学は大事ですが全てではなく、けれどもやはり大事、というのが私の位置です。微妙ですね。

描写に関しては、私の場合、「描写」という言葉・存在すら知らない、というところから出発しています。まさに、「なにそれ?」というところから。とんでもないド素人ですよね(><) なので、試行錯誤しまくりです。実際、親しい友人に「夢叶」の出だしを読んでもらったところ、「描写が全然ない」とばっさり。以降読んでもらえず。物語の面白いつまらないはここなのか、と自覚させてもらったという(-_-;) あらすじならまだしも、私の場合は箇条書き。掌編で世界観を表すなんて、できるときが来るとか思えないですよ。いまだに基本訓練中です(^^;)

チキン6キロが気に入っていただけて良かったです(^^;)
いえ、重いとか感じることもないほどに疲れてボーっとしていたみたいなんです。
自分でも笑っちゃいました。で、これみんなに言わなきゃって^^

海外編は(も)長いので、夕さんのペースでお越しくださると嬉しいです^^
2014.04.21 Mon 21:24
Edit | Reply |  

Name - LandM  

Title - 

卒業なんですね~~。
これから田島くんの進む道は険しいものが沢山あると思いますけど。
それはそれで進んでいくことを決めたのですから、頑張ってほしいですね~~。
って挫折したらストーリーにならないか。。。

これから奮闘する田島くんを期待しております。
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
2016.05.28 Sat 07:30
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - LandMさん

コメントありがとうございます。

卒業を見送っていただきありがとうございます!
やっと色々を認めて、納得して、前を向くことができました。

ここから先の話は過去の事ではなく新たな経験。
主人公同じの別物語として見ていただいても良いかも(^^;)
ここまで長かったのですが、この先も長いんですが(汗)、よろしくお願いします^^
2016.05.28 Sat 15:11
Edit | Reply |  

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