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オリジナル小説を綴っています。 拙いものですが、少しでもお話を楽しめる憩いの場になればと。

サファリの一コマ (scriviamo! 2018) (「郷愁の丘」より)  

scriviamo.png

いつも親しくさせていただいている八少女 夕さん(ブログ「scribo ergo sum」)の毎年恒例の企画、「scriviamo! 2018」に参加しました。

「scriviamo!」というのはイタリア語で「一緒に書きましょう」という意味だそうです。
私は今年四年目で四度目の参加です。
企画期間中、夕さんと企画参加者との楽しい交流が見られます。
詳しくはこちらへ → 「scriviamo! 2018」

ところで夕さん!
「scribo ergo sum」のブログアクセスがすぐにも100000Hitを達成しそうですよっ!
すーごいなー(@@)
ちょっと早いけど、そちらもCongrats!のお祝いです!^^

さて話を戻して。
今年の「scriviamo! 2018」、絶賛連載中のあの作品をお借りして、とある一コマを綴らせていただきました。
その作品をお読みでなくても、お話は分かると思います。

それでは、「scriviamo! 2018」参加 兼 100000Hitお祝い (←兼ですみません -_-;)
こちらも恒例になった(?)↓のぞき見(?)シリーズ!^^


*** ***

サファリの一コマ (scriviamo! 2018) (「郷愁の丘」より) 

*** ***


 夕べは久々の大雨だった。雨期に特徴的な突然の雨。雷鳴がとどろき、分厚い雲の裏から降りてくる大粒の雨は、家の屋根を打楽器に見立てた様に激しく打ち付けた。いつも夕食後はすぐに眠りに就くのだけれど、おかげでよく眠れなかった。

 朝、寝坊気味に起きると、窓から見える空は何もなかったかのように晴れ渡っていた。グレッグにおはようを言いに行くと、今日のフィールド調査にジョルジアも一緒に行くという。それを聞いただけで、私はそこらじゅう飛び跳ねるくらいに嬉しくなった。

 ランドクルーザーに乗って出かけたサファリで、グレッグはサバンナの動物たちをジョルジアに紹介する。トムソンガゼルやインパラ。ヌ―の大群にキリンの雄姿。みんなグレッグと私の友達でもある。でも、私が彼らと違うのは、私はグレッグとは家族だというところかな。

 観察対象であるシマウマの群れに近づくと、グレッグはジョルジアに説明を始めた。ジョルジアは目を丸くしながらグレッグの話に聞き入る。私は止めた車に近づいてくるみんなに挨拶するのに忙しくなった。みんなはグレッグが連れて来た女性に興味津々で、私に色々聞いてくる。

 グレッグにもとうとう彼女が? めちゃくちゃ美人じゃないか。名まえは? 歳は? 性格は? 趣味は? どこの人? 仕事は何を? きっかけは? 結婚はいつだ? 子どもは何人? 料理の腕は? グレッグの気持ちはどうなの?

 世話好きというか、ゴシップ好きというか。私は先のことは分からないけれどと前置きをして、昨日までの話をした。みんなは察しをつけると、あとはそれぞれに希望的妄想をし始めた。

 グレッグの性格にピッタリじゃないか。結婚式はサバンナでしてほしい。来年あたりが良いのでは。ブッシュで採れる珍しい果物を贈るよ。子どもはたくさん。一緒に遊ぼう。

 収拾がつかなくなったので、私はランチに逃げた。水を補給し、腹ごしらえをすると、すぐそばでサンドイッチをほおばる二人の会話が耳に入った。シマウマの色覚やら視覚範囲やらの話をしている。

 グレッグ曰く、「シマウマは二色型色覚。緑や黄色の識別ができ、新鮮な草とそうでないものは見てわかるのかもしれない」。だから彼らは、男性と女性の識別ができ、友達か恋人かは見てわかるのかもしれない。

 また、グレッグ曰く、「彼らにとってもっと大切なのは、周囲の動きを認識する事だからね。目のついている位置を観察してごらん。横についているだろう? あの配置のおかげで視野がほぼ三百五十度あるんだ。背後で何かが動けばすぐに氣づく。肉食獣から逃げるために必要なんだね」。だから彼らは、振り向かずとも草を食みながらも、グレッグとジョルジアの二人の様子をガン見することができる。

 ただし、グレッグ曰く、「両方の目で同時に見る両目視野はとても狭くて距離を測るのは得意ではない」。だから彼らは二人の関係に気を焼きながらも、距離を測ることは難しい。

 シマウマたちの観察を脳内に記録していると、音が聞こえて来た。駈けてくる音。目の前の平和な図柄が土埃と共に崩れ始め、動物たちが音と反対方向に走り出した。土埃の向こうから姿を現したのは、ライオン。一頭ではない。グループで現れた。朝から何も口にしていないのだろうか。狂ったように逃げ惑う動物たちを追いかける。可哀そうなことに、逃げ遅れた一頭の仔ヌーが犠牲となってしまった。

 目の前でサバンナの現実を見せつけられたジョルジアにとっては衝撃だったようだ。こういう時のグレッグは言葉足らずになる。けれどもジョルジアはグレッグの毅然とした態度を汲み取り、自分なりに自然界への理解を深める。賢い女性だ。

 車に引き上げ、夕焼けを眺めながら家に戻った時は夕暮れ時になっていた。夕食をすませると、グレッグはワインを片手にジョルジアをテラスに誘う。テーブルに着く二人の頭上には満点の星が瞬いていた。二人の間ではサバンナの話が尽きない。
 
 どうしてグレッグがシマウマの研究を始めたのかって? ジョルジア、イイ質問だ。理由の一つに、シマウマの絵を描いて祖父に褒められたという幼いころの思い出があげられる。それでシマウマの絵を描くのが好きになった。このことにより、グレッグの特殊能力が花開いたのだ。

 グレッグは二つの特殊能力を持っている。一つは目にしたものを細部まで脳に記憶する能力と、もう一つはその記憶したものをスケッチで詳細に再現する能力。ただし、これらの能力はサバンナ限定。スケッチブックを取り出して、ジョルジアにその力を披露した。

 ジョルジアは目の前に出来上がったスケッチを芸術的にも素晴らしいと称賛した。けれどもグレッグは、観察記録と芸術は違う、と謙遜する。グレッグは私の絵もよく描くがそれは観察記録ではないから、もしかしたら芸術のカテゴリーに入るかもしれない。いや、タダのお試しで暇つぶし程度のものであったか。それにしても、絵はまるで鏡の中の自分がそこにいるかのような出来上がりだったが。

 ジョルジアは、一緒に話せば話すほどグレッグという人物への興味が高まっていった。郷愁の丘に来て大自然の景色や動物たちに感動するも、それらはジョルジアの撮影の被写体にはなりえなかった。

 彼女の心にある光と陰。モノクロームに映し出される陰影。自分に似ている誰かとの出逢い。それらのピースが全てはまったとき、ジョルジアはグレッグに面と向かって言った。

「あなたを撮らせてほしいの」

 私の妄想の中で花火が上がった。早速、サバンナのみんなに報告しなくちゃ。シマウマたちには特に、おめかししなってね。


 おわり


*** ***


二人を見守っていたのは↓

rhodesian-ridgeback-2727035__340.jpg

グレッグの愛犬、ルーシー(ローデシアン・リッジバック)とサバンナのみんな^^

でした!^^


参照:

八少女 夕さんの小説「郷愁の丘(6)シマウマたち – 1 -」

Kyoushunooka.png  「郷愁の丘」を読む・あらすじと登場人物

是非、第一話から^^


追記:

さっそく八少女 夕さんが、このお話を元に「郷愁の丘」の外伝、「小さな家族」を書いてくださいました。

夕さん、ありがとうございました^^


*** ***


ご訪問、ありがとうございます^^
ブログ『憩』に、ご意見、ご感想、ご助言等いただけると嬉しいです。

皆様が素敵な一日を過ごせますように。
Have a nice day!
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Comment

Name - 八少女 夕  

Title - きゃ〜

こんばんは。

今年の目撃シリーズは、ルーシー! そして、サバンナの動物たちが、ガン見していましたか(笑)
いろいろと噂していたのですね。

ものすごく丁寧に読み込んでくださっているのがわかります。すごいなあ。
自分の作品の世界を、まったく違う視点から見るのって楽しいですね。

ルーシーは、いろいろと呆れているんだろうなあ(笑)

今年も素敵な作品でのご参加、ありがとうございました。
お返し、少し考えさせてくださいね。

そして、100000Hit、そうなんですよ、もうじきなのです。前祝いをいただき、どうもありがとうございます。様子を見ているのですがこのペースだと再来週くらいかな。10名さまの早い者勝ちで企画を予定していますので、近くなったらチェックしてくださいね。

2018.01.13 Sat 07:37
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: きゃ〜

八少女 夕さん、コメントありがとうございます。

ルーシーが見ちゃいましたよ^^ 
みんなでグレッグのターニングポイントをガン見^^
もう、おばちゃんレベルの噂話で持ちきり!
(↑筆者がおばちゃんなもので… -_-;)

引用しまくりの二次作品なので、何かありましたらお知らせくださいね。
今回も楽しく描かせていただきました^^

100000Hitの早い者勝ち企画も楽しみにしています^^
2018.01.13 Sat 10:55
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Name - 夢月亭清修  

Title - 

読みました!
サバンナの動物たちの会話が、なんだかグレッグの親戚のようでww面白かったです!
ルーシーは冷静なようでいて、最後の一言が決まってましたね^^
2018.01.13 Sat 16:10
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - 夢月亭清修 さん

コメントありがとうございます。

掌編とはいえ、久々にまとまった文章描きました(苦笑)
そうですね。サバンナのみんなは親戚みたいなものでしょうか。

ルーシーはみんなを取りまとめる姉御…?
2018.01.13 Sat 18:35
Edit | Reply |  

Name - lime  

Title - 

今回は、ルーシー目線でのぞき見だったんですね!
これは思いつかなかったなあ~。
そして、……そうか、ルーシーは女の子だったんだ(´▽`*)
そう考えると、なんか、けっこう細やかな感情で、あの二人を見ているような気がしますよね。
動物たちとは、どんな会話を交和してるのかなあ、ルーシー。
(けっこうグレッグにダメ出ししてたりして)

夕さんのSSも、楽しみですね^^
2018.01.16 Tue 22:19
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - limeさん

コメントありがとうございます。

ルーシーは見た。でした^^
グレッグにダメ出しするルーシーもかわいいんだろうなあ^^

そうそう。女の子(たぶん)だと思うんですよね。
最初、僕、にして描いていたんですけど、ルーシーって名前は…とハタと思って書き換えたんです。
(夕さんに確認していない…ちょい汗)
(夕さん? 今更…さらに汗)
2018.01.17 Wed 19:25
Edit | Reply |  

Name - 八少女 夕  

Title - 再登場

もちろん女のコですよ〜。

実は、アフリカ - ケニアで見つかった人類の祖先「ルーシー」
という連想ゲームでついている名前なんです。

かなりどうでもいい事ですけれど(笑)
2018.01.18 Thu 06:17
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: 再登場

わわ。夕さん^^ 
…ですよね。(←英語圏に何年住んでいるんかい -_-;)
ほ。ルーシーはグレッグの遠い祖先だったのか。あれ…(すみません)
2018.01.18 Thu 13:23
Edit | Reply |  

Name - 山西 サキ  

Title - こんばんは~

夕さんのお話を読む前にまずこちらのお話を・・・
同じシーンを視点を変えて、というのはサキも良くやるのですが、作者まで違っているのでなかなか興味深いです。
しかも彼女の視点ですからね。これは思いつかなかった。

それにしても、サバンナの動物たちは「郷愁の丘」の読者の代弁者のようですね。
聞きたいことや想像していることをズバズバと・・・。
そしてグレッグの解説に対するルーシーの突込みはとても楽しいです。
たぶん、ルーシーやサバンナの動物たちには特殊な能力が備わっているのでしょう。
色々と質問をしていますが、2人の心の動きは感じているようだし、もうすでにある程度の未来は見えているような・・・。
そんな気がしました。
2018.01.30 Tue 19:42
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: こんばんは~

山西 サキさん、コメントありがとうございます。

視点変えをお借りした物語でするのは緊張します(^^;)
自作ではたまーにやったのありますけど、結構楽しいですよね。
サキさんに気に入っていただけたのなら嬉しいです^^

ズバズバときいてはくれたのですが、ルーシーは答えられずで結局はお預けかな(^^;)
けど、動物は空気を読むのが上手い(?)ので、なんとな~く察しているのかも?
実は彼らにはグレッグの心情がバレバレだったりして。ね。
ま、一番鋭いのはルーシーでしょう。
そんなこんなを感じていただけて嬉しかったです^^
2018.01.30 Tue 20:37
Edit | Reply |  

Name - 大海彩洋  

Title - こんばんは~

夕さんちのお話もアップされたので、まとめてコメに参りました(*^_^*)
いつものけいさんの目撃シリーズ、今回はなんとルーシーでしたか。はて? 周りに目撃しそうな人っていたっけか?と思って読んでいて、「私は家族」でぴんときました。なるほど、そう来たか!
シマウマたちの芸能記者さながらの質問攻めが素晴らしい。文春砲ならぬ、シマウマ砲ですね。でも悪意がないからこちらはすてきな質問攻め。
「結婚式はサバンナでしてほしい。来年あたりがよいのでは」に大受け。勝手にもう来年あたりがいいとか決めてるし^^; 
何しろ作者が作者ですからね、ぐるぐるでどこまで行くのか、来年に間に合うのか、ここはもうしばし彼女=敏腕広報官と彼ら=大阪のおばちゃん風芸能記者たちにネタを提供してもらうことにしましょう!

けいさんところは夏なんですね~
こちらはもう、びえ~ってくらい冷えてます。今朝も我が家の前は道が凍結していて、車で出るのがおっかない状況でした。インフルエンザも大流行。私は今んとこ、馬鹿なのか、かかっていません(*^_^*)
すてきなサマータイムを~!
2018.02.02 Fri 19:34
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: こんばんは~

大海彩洋さん、コメントありがとうございます。

人ではないシリーズです(←ホラーではない)
シマウマ砲にぷぷぷ^^ そう言うのか^^
私、関東の出身なんですけど、おばちゃんではあるので噂しちゃいました。
来年あたり、イイですよね。今年でもいいんだけど。夕さん?
本編でも、外伝でも、その後の後日談でも^^ 
このお話がきっかけで、みんなのルーシーを見る目が変わったかもしれない?
これから注目のアイドルですかね!^^

ジャパンは寒そうですねえ。どか雪とか…
うわ、凍結注意ですか。くれぐれもお気をつけくださいね。
インフルエンザは馬鹿でも天才でもどっちでも良くて、かからないのがとにかく一番ですね。
サマータイムはイースターまで~^^
2018.02.03 Sat 19:39
Edit | Reply |  

Name - TOM-F  

Title - 

ごぶさたしております。
ちょ~っと(?)遅くなりましたが、お邪魔させてもらいました。

八少女夕さんの作品は拝読していましたので、あああのときの、という感じでとても楽しく読ませていただきました。
ルーシー視点なんですね。うん、これは新鮮。
それに、ルーシーだけのお話しだとグレッグの孤独感が強く出てしまいそうですけど、サバンナの友達たちの井戸端会議があったので、動物たちに囲まれた結婚式が目に浮かんで面白かったです。
とくに、ルーシーが「私はグレッグと家族だ」って自慢するところが、好きですねぇ。うん、犬って、そういうところありそう。

動物たちの噂話が実現するのが楽しみに思えてくる、素敵な掌編でした。
2018.02.19 Mon 16:39
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - TOM-Fさん

こちらこそごぶさたで申し訳ないです(><)
コメントありがとうございます。

はい。あのときの、です。ルーシーとみんなが見ていました。ガン見!
そして、井戸端会議の格好のトピックでした^^

そうそう。私も動物たちに囲まれた結婚式を思い浮かべながら描いていました。
TOM-Fさんの思うところの画はどんな感じですかね。
ルーシーは家族ですから、ラワーガール(?)に相応しいかも??
家族友人よりも、動物たちのゲストの方が多そう^^

ふふ。動物たちの噂話、実現してほしいなあ…夕さん?
(また夕さんに振る… -_-;)
2018.02.20 Tue 07:25
Edit | Reply |  

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