オリジナル小説を綴っています。 拙いものですが、少しでもお話を楽しめる憩いの場になればと。

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秘密の花園 第二章 8 謝罪(第二章・最終話) 

 それから数日後、あの晩喧嘩を起こし、俺を殴り倒した客のサラリーマン二人が、居酒屋の店長と課長さんに付き添われてやってきた。

「その節は・・・」

 俺も付き添いの母も、彼らから土下座でもされて大げさに謝られたらどうしようかとちょっと構えていたが、申し訳なかったということで、静かで冷静な事務的な対応だったのでホッとした。

「お茶、お飲みになってください」

 それでも母は少し困って、頭を下げるサラリーマンにお茶を勧める。

 病室の後ろに控えていた居酒屋の店長が、ものすごい強面の面構えでサラリーマンを見つめている。それは任侠物の漫画に出てくるヤクザのような、恐ろしく怖い顔だった。

 あの晩もその顔でこの客に対応してもらえれば、サラリーマンの喧嘩なんかすぐに納まっただろうし、俺が怪我をすることもなかったのに、などと思う。

「花園さんの学業にも支障をきたしてしまいまして、本当に申し訳ございません」

 神妙な面持ちと態度を見せるサラリーマン二人は、出されたお茶にもお茶菓子にも全く手をつけない。

 俺は何ともリアクションが出来ず、何とはなしに店長の横にいた課長さんにふと目を向けた。すると、この人も大きな体で獲物を襲う野生の巨大熊のような鋭い目つきをし、恐ろしい形相で場を見つめていた。

 そういえば、この人があの場を納めた張本人だった、ということを改めて思い出し、敵に回さなくて良かった、などとこの場とは全く関係のないことを思ってしまうほど怖かった。

 ヤクザ顔の居酒屋の店長と、現場にいた巨大熊の課長さん、この二人に挟まれてバイトの俺に頭を下げろと説教されたのかと思うと、このサラリーマンも気の毒でかわいそうだ、なんて思ってしまうくらい、後の二人の様子はもの凄く恐ろしかった。

「ぶはは。花園、それ笑える」
「いや、笑っちゃいけないとこだって」

 後で田島にその話をして、二人でゲラゲラ笑った。

 その後、これで最後というMR検査をして、本当に脳に異常の無いことを確認してから、最後の最後まで後回しになっていた骨の折れた鼻の整形手術が行われた。

 手術を受けてからほんの数日後、鼻の上に大きな絆創膏をしたままであったが、やっと俺は退院できた。



 第二章、おわり



< 前話  TOP  第二章・あとがき >



   退院できて良かったね、徹さん^^

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 ここまでお読みくださり、ありがとうございます m(__)m

 第二章・あとがきも是非^^


『秘密の花園』に、ご意見、ご感想、ご助言等いただけると嬉しいです。

読んでいただき、ありがとうございます。皆様の一日が平和でありますように。

Have a nice day!
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Comment

Name - 西幻響子  

Title - No title

うわっ。「夢叶」の前に、花園くんこんなめにあってたんですね。
でも無事に退院できてよかった。
この課長さん、とても頼もしいかんじ。

三条さんとの関係がいいですね。ほのぼのしてて。
でもなにげに花園くん、もてる。
あのケーキ屋の彼女とのエピソード、面白かったです ^^
(思わずケーキが食べたくなりました)

けいさんの小説には、吉田まゆみさんの漫画を想起させられます。ご存知ですか?吉田まゆみさん。私の大好きな漫画家さんです。

「夢叶」のほうもこれから楽しみです。
またお邪魔します ^^
2011.10.04 Tue 12:27
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - 西幻響子さん

コメントありがとうございます。

徹さん、こんな目にあっちゃいました。イタタでしょう(笑)
課長さんとは長い付き合いになりそうです(?)

湘南ドライブのエピソードが気に入ってもらえて嬉しいです。
そうなんです。徹さんは実は良い男なんですよ。
誰からも高感度大です。

> ご存知ですか?吉田まゆみさん。私の大好きな漫画家さんです。

多分、知っています。うろ覚えです。すいません。。。
実は、漫画の原作って、少し興味があります。
小説を書くのとはまた違うのでしょうね。

この「秘密の花園」の後、「怒涛の一週間」をシリーズ化しようかどうしようかで
ほんのちょっと迷ってから、それをやめて「夢叶」を始めました。
ちょい裏話でした(笑)

是非またお越しください!
2011.10.05 Wed 09:27
Edit | Reply |  

Name - ヒロハル  

Title - No title

けいさんところのお話は全部繋がっているんですね。
次は夢叶に行きます。

個人的な意見で申し訳ないんですけど、
今回の『秘密の花園』という作品、本編と追記を分けた意図は
あるのでしょうか?
つなげたほうがいい気がしたのですが・・・・・・。
切らなければならない理由があったのなら、余計なお世話でスミマセン。
2011.11.11 Fri 12:51
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - ヒロハルさん

コメントありがとうございます。

自分と周りのみんなと何かのご縁で繋がっているのかなー
というコンセプト(?)で。。。

貴重なご意見、ありがとうございます!

意図は・・・

前作の『怒涛の一週間』のノリで『秘密の花園』の徹さんの一週間を始めたからです。

でも、一週間にはならず、しかもバッドエンド(?)で終わりそうになり、
それじゃぁ、徹さんも浮かばれない(?)と、
それを修正しようとした結果が『追記』となりました。

なので、分かれていようが、繋がっていようが、
深い理由は全くないのです(焦)

『追記』を描きながら、いえ、正確に言うと、本編(?)の終わりから、
田島のストーリーが沸いてきて、また似たようなノリで『夢叶』が始まったので、
これもある意味繋げても良いのかも・・・?

ちょい裏話でした^^
2011.11.11 Fri 16:04
Edit | Reply |  

Name - lime  

Title - No title

そうですよね。まずこっちを読んで、花園君をばっちり知らなければ・・・。
(今頃か!!)
いやいや、実は、少しずつ読んでいたんです。
まだ後書きを読んでいなくて・・。

花園君の、男気、優しさ、だけども流されずに自分をしっかりと持っているところ。
カッコイイ男ですね。
意中の女の子以外にも、もててしまうのも、(本人はあまり嬉しくなさそうだけど^^;)分かります。

後書きは、「怒涛の一週間」へとつながるんですね。
こちらは未来の花園君なのですよね。

けいさんのキャラって、みんな自然体で、当たりが柔らかいのに、みんなちゃんと自分を持っていて、大人だなあ~って思います。
きっとけいさんの分身たちですね。

は! うちのキャラが、みんな弱っちいのは、この作者のせいなのか・・・汗
まあ、それはおいといて。

また「夢叶」、続きを待ってますよ~~♪

しっかし、あそこで話を聞いてると、酔っぱらうなぁ。飲みっぱなしだからww。
いやいや、楽しいお酒だからいいんです。
でも、たまにはコーヒー頼もうかしら。
2012.01.12 Thu 23:32
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - limeさん

こちらにもコメントありがとうございます。

読んでくださって、とっても嬉しいです!
じっくりとお進みください。次もあるんで(笑)

こちらもノリとタダの勢いで書き上げたものなので、今見ると結構ハズカシ・・・
シャイだからあたし・・・いや、今やってるのも、多々ヤバイんだけど(見て見ぬ振り)

徹さんは、良い人、なんです。
徹さんだけ、3作共に登場しています。良い人なんで(笑)

> けいさんのキャラって、みんな自然体で、当たりが柔らかいのに、みんなちゃんと自分を持っていて、大人だなあ~って思います。

キャラを褒めてもらうのって、めっちゃ嬉しいものですね。ありがとうございます!!

キャラはやっぱり投影なんですかね?
え? limeさんのところも?
・・・ここでは、コーヒーにしときましょうか^^
2012.01.13 Fri 08:45
Edit | Reply |  

Name - 有村司  

Title - No title

こんばんは!

「秘密の花園」読了しました!
あの「怒涛の一週間」の花園さんですよね?
草食系のイケメンで、意図しなくても「訳ありげに見える」…というのがタイトルの所以でしょうか?
あ、もちろん海外児童文学の「秘密の花園」も大昔に読んだことはありますが…^^;

さて、追記を読んで、ちょっとお節介で涙もろくてナイスガイの田島君のことがとても気になるようになりました。

これは次回作に続いているのでしょうか?
「夢叶」も拝読させていただきますね!
2012.02.12 Sun 23:06
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - 有村司さん

コメントありがとうございます!

読了ありがとうございます!
あの「怒涛の一週間」の徹さんです^^
大学生のとき、こんな人でした。

そうなんです。徹さんには何の意図もないのに、「訳ありげに」見られてしまう。なぜに?
何にもないのに・・・というコンセプトでした。

> あ、もちろん海外児童文学の「秘密の花園」も大昔に読んだことはありますが…^^;

それ、私は読んだことないんですよ(汗)
コミックでは同じ題名のものがたくさんあるみたいです。
確かによくありそうなタイトルですよね(^^;)

> さて、追記を読んで、ちょっとお節介で涙もろくてナイスガイの田島君のことがとても気になるようになりました。

私も途中から気になり始めて、次回作でメインキャラになってもらいました。

話が続くようですが、主人公と視点を変えているので、
新しいお話として見てもらえると嬉しいです。

「夢叶」も宜しくお願いします。
ちなみに「夢叶」は、物書きの習作としての位置に置き、途中で色々試していることもあるので、有村さんのご意見・アドバイス等をいただけると参考になり、ありがたいです。そちらのほうも是非に^^
2012.02.13 Mon 17:27
Edit | Reply |  

Name - 想馬涼生  

Title - 花園君退院ですね。

怪我したとは言え、入院になってしまいましたから、その原因を起こした社員も謝りに行くのは当然ですね。社員も謝り辛かったでしょうが、ヤクザ顔の居酒屋の店長と、現場にいた巨大熊の課長さんに囲まれてはもう謝るしかないと思います。

鼻の方も整形手術してよくなったようで何よりです。絆創膏は貼ったままですが、いずれとれる時が来るでしょう。

こちら日本では毎日暑い日が続いています。もう暑くてたまらんです。
この夏は映画観ましたか?私は「ジュラシックワールド」と「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」を観ました。この二つは20年以上続くシリーズです。
ここ数年洋画不振の日本ですが、この二作品は別格です。
そちらでも人気があるでしょうね。
ところで「ミッション」シリーズの「M:i=2」はシドニーが舞台でした。
2015.08.23 Sun 15:41
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - Re: 花園君退院ですね。

想馬涼生さん、コメントありがとうございます。

最終話まで読んでくださり、とても嬉しいです。
ドヤ顔とクマのおかげでこの件は丸く収まるようです。
ケガの方は、若いしね。ま、これも人生の経験の一つに(?)

こちらAusもまだ寒いですが、昼間は少しづつ暖かくなってきています。
早く春にならないかな。

おお。新作映画、良いですね。うちの町には映画館、もちろん無く・・・(映画に関してはちょっと不便な田舎暮らし ><)
「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」は、大好きなギタリストのMIYAVIがテーマ曲を弾いているのでそれで注目^^
はい。シドニーが舞台というのは聞いたことあるかも。映画を見てはいないのですが。
トム・クルーズはオーストラリアが大好きらしい。
映画はDVDで楽しんでいます^^
2015.08.24 Mon 00:05
Edit | Reply |  

Name - LandM  

Title - No title

う~~む。
しかし、整形手術をしないといけないほどの怪我なんだから。
本当に洒落ならない・・・というか。
マジの刑事事件ですなあ。。。
( ;´Д`)

やっぱり喧嘩をしないのが一番!!
・・・ですね。
2015.12.05 Sat 21:01
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - LandMさん

コメントありがとうございます。

はい。実は、羊のイケメンが台無しになるほどの怪我でした。
怒涛のシリーズなので、それなりに、なわけなのですけれども、一番痛いかも・・・
いまだに、徹さんごめんね、です。
(怒涛のシリーズ1でも徹さん、交通事故なんだよね・・・ホントごめんね)

そうですね。喧嘩をしないのが一番!! ですよね。
「腹を立てず、心は丸く、気は長く、己は小さく、人は大きく」 (一休禅師?)
2015.12.06 Sun 07:20
Edit | Reply |  

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