オリジナル小説を綴っています。 拙いものですが、少しでもお話を楽しめる憩いの場になればと。

怒涛の一週間 7 火曜日(1) 

 火曜日。朝、7時に出社すると、部長はもう先に来ていて、課長のデスクで何かを探していた。

「部長、お早うございます」

 少し緊張して挨拶をした。うちの部長、渡辺勝人(わたなべかつひと)は体が大きくがたいの良い人だ。

 スーツを着ていても、一目で体育会系出身とわかる。実際、学生時代は柔道部に所属し、毎年学生選手権に出場していたつわものだったらしい。

 初めて会ったときはちょっと怖そうで近づきがたいものを感じたが、実際の部長はとても気さくで面倒見の良い人だ。

 普段は部長室で仕事をしているので、同じフロアにいても部長と話をすることは少ない。もちろんこんな朝からフロアに出ていることは珍しい。

「おー、課長代理ぃー、お早う」

 ―――その何かを取って付けたような肩書きには慣れそうにない。

「部長、何か探してるんですか」
「んー、今日の外回りの資料だ」
「あ、それ、俺が持ってます。課長に聞いて、デスクからピックアップしときました」
「ってことは、君がやってくれるってことか。それは良かった。俺一人ではどうしようかと思っていたんだ」

 え? 俺は今日の課長の営業に一人で行くのかと思って、睡眠時間を削ってきのう電話で聞いたすべての情報をインプットしたのに。部長が一緒に行く予定だったのか。だったら部長に・・・

「じゃ、今日はさっそく課長代理のお手並みを拝見させてもらうよ」
「は?」
「俺は一緒には行くが、ただの付き添いだから」

 ―――夕べの学習が役に立ちそうだ・・・

 部長と訪問したそこは大手メーカーの本社ビル企画室だった。目的は、うちの会社のプログラムを、メーカーに組み込んでもらうことを前提としたプレゼンと商談だった。

 メーカーの常務や部長、次長クラスを前に、うちの製品を売り込まなくてはならない。

 普段俺が回っている小売の営業とはレベルが違う。こんなところに来るのは初めての経験だ。部長が一緒に来た理由もわかった。

「あの、部長・・・?」
「じゃ、頼んだよ。あとの話は俺がするから」

 課長がこんな大きな取引をしていたなんて知らなかった。

 俺は「はあっ」と一つ大きく息を吐き、つい昨日の研修会で見たマコのプレゼンを思い出しながら相手の役員たちの前に立った。



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   火曜日。早速ドキドキのスタートですかね。

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 読んでいただき、ありがとうございます。皆様の一日が平和でありますように。

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Comment

Name - LandM  

Title - No title

う~~む、しかし、バリバリ仕事をしているのが伝わってくるじぇ。。。小説ごしに読んでいても、こういう仕事は向いていないなあ。。。っと実感してしまう自分がいる。
( 一一)

しかし、この人たちがいるから景気は成り立っているわけで。
頑張ってほしいですね。
2015.07.18 Sat 09:06
Edit | Reply |  

Name - けい  

Title - LandMさん

コメントありがとうございます。

部長に後押しされて、こーじくん、頑張っていますね。
自分もオフィス務めはしたことがないので、実際はどうなんだろうと思います(?)
お話の中だけの妄想の世界です ( 一一)
とりあえず、これから勝手に怒涛になっていくので頑張って欲しいです^^
2015.07.18 Sat 14:01
Edit | Reply |  

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