オリジナル小説を綴っています。 拙いものですが、少しでもお話を楽しめる憩いの場になればと。

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怒涛の一週間 8 火曜日(2) 

「良いプレゼンだったよ。あれで十分に納得してもらえたはずだ」

 商談は表向き無事に済み、返事は後でということで、部長と俺はメーカー本社ビルを後にした。部長の運転で会社への帰途についていた。

「ありがとうございます。うちので行くというのがほぼ決まっている状態だったので、やりやすかったです」

 部長に褒められて胸をなでおろすと共に、心の中でマコに感謝した。

「あのメーカーとの取引は長いからね。それでもプレゼンを見て満足しなければ考えを変えるという可能性もあったわけだから、それが無くなって本当に良かったよ」
「そうなんですか」
「そうさ。最後のイエスがもらえるまではシビアなんだよ。気が変わって、やっぱりやめる、っていうことなんか幾らでもあるからね」

 それは俺も何度も経験している。取り引きが大きかろうが、小さかろうが、取れなくては何も残らないのは同じだ。

「それで、今日のはイエスがもらえそうなんですか?」
「・・・のはずだ。あのプレゼンを見せられてはね」

 メーカーが結果を知らせてくるのは後のことだが、部長にそう言ってもらえるのが褒めてもらったようで何だか嬉しい。
 
 今日俺がやったプレゼンを、課長がやるのと比べてどうだったのかは分からなかったが、とにかく今は終わったことにホッとしていた。

 一度会社に戻り、午後からは課長の得意先回りだ。事故のことを伝え、しばらくは自分が担当すると挨拶に行かなくてはならない。

 電話で済むところもあるが、直接伺わなくてはいけない所だけは部長からアドバイスを受けていた。

 その部長は会社に着くとすぐに専務のところへ午前の営業の報告に行ってしまった。



 ―――何だ?

 課長の得意先の挨拶回りには思ったより時間がかかり、帰ってきた時には退社時間を過ぎていた。デスクの上にメモが貼ってある。

『今夜、7時、居酒屋。渡辺』

 そうだ、思い出した。うちの会社は1ヶ月に1度、親睦と情報交換とを兼ねての飲み会があり、今日がその日だった。

 各部の部長・課長クラスがほぼ全員参加する。花園課長が昨日の電話で言っていたのはこの飲み会のことだった。

 幹事は営業部長、つまりうちの渡辺部長。だからか、課長は欠席することなく毎回参加していた。

 別に強制ではなく、忙しいときには参加しなくても良いらしいのだが、課長はいつも必ず出席し、次の日は二日酔いで出勤していた。

 俺も課長に連れられて数回参加したことがあったが、初めは部長の酒豪っぷりに驚いた。ビール数本のレベルではない。部長は少なくとも一人で十本はいくだろう、ぐらいの勢いで飲む人だった。

 俺にはついていけないと思うのだから、細身で華奢な課長にはきついのではないかと心配してしまうほどだ。まあ、月一だからか、それとも直属の上司だから付き合わざるをえないというところなのだろうか。

 それが今夜7時からあるのか。このメモは、当然俺が来るものとしての書き方のようだな。

 ―――「来い」ということか・・・。

 課長にも頼まれたし、部長とは今日一緒に仕事したし・・・行くか。



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   昼は仕事、夜は飲み会。典型ですかね。

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 読んでいただき、ありがとうございます。皆様の一日が平和でありますように。

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